2013.06.25 Tuesday
エイドリアン・ブローナーvsポール・マリナッジ
JUGEMテーマ:ボクシング
先日行われたブローナー対マリナッジの試合についての海外記事をご紹介します。正直、難しい内容だなと思うのですが、ポイントは
・ブローナーが試合を一方的に支配していたためジャッジの一人がマリナッジ勝利の採点をつけたことに異議を唱えている
・一方、階級を上げたブローナーがノックアウトしきれなかったことに対し、パワー不足を指摘している
という内容になっています。
また、暗にブローナーの試合への姿勢を批判しているのかな、と思われる記述もあります。内容としては勝利していたけれど…というかんじに読めてしまいます。
記事の見出し【ブローナーは迫力のある内容ではなかったが、マリナッジに対し大差の判定で試合を支配した】(web上のアメリカ、リングマガジンの記事より)
エイドリアン・ブローナーが約束したような爆発的な試合ではなかった。火花は全く飛び散らなかった。しかし、確かにまばゆいばかりに支配的な試合だった。ブローナーは土曜日の夜にバークレイズ・センターにおいて1万1461人の観衆の前でポール・マリナッジに2−1という判定(これはおかしいとしか思えないが)で勝利し、WBA世界ウェルター級タイトルを獲得した。
確かに試合中は一進一退の攻防が展開された。確かに閃光のような素早いコンビネーションとカウンターパンチがみられた。確かにブローナーはリング上でいらぬおしゃべりをしたり、後ろから振り返りながらに肩越しにパンチを打ったりした。しかし、ノックダウンはなく、マリナッジは多くのパンチを受けたにも関わらず、何百とヒットしたパンチのひとつからもダメージを受けたようにはみえなかった。
ライト級からウェルター級に階級を上げることでブローナーのパワーがそれに見合うほどついてきたか、というのはその程度のことだったのだ。
「ポールは自分が予想したとおりに試合を戦ってきた。彼が俺のパワーを感じたとき、逃げるしかなかった。」とブローナーは言う。「奴は俺にパンチを当てることができなかった。ただシャドーボクシングをしてただけさ。」
試合における最も不可解なことは、ジャッジのグレン・フェルドマンは115−113、トム・シュレックは117−111でブローナー勝利とし、トム・ミラーは115−113でマリナッジ勝利としたという結果である。リング誌は117−111でブローナー勝利とつけた。
マリナッジ(32勝5敗、7KO)は採点結果に不満を持っている。何年か前にヒューストンでファン・ディアスに敗れたちょうどその時のように、試合を開催したオフィシャルに向かってマリナッジは盾突いた。唯一の違いは、マリナッジはその試合に勝利したということだ。試合の夜は、彼はブローナーを打ち負かしてはいない。
「彼の見方からすれば、彼はシャープだった。それぞれのラウンドのうち30秒しかもたなかったけどね。いい状態で戦えたのは。」とマリナッジ。「採点がどちらに傾いていようと気にしない。しかし、私のホームタウンでの防衛戦を行うチャンピオンとしては、(新しくチャンピオンになった)ブローナーからベルトを取り上げるべきだと思う。」
「結果が不正だとは言わない。しかし、採点をものにするのはいつも業界に通じている選手だ。」
ゴールデン・ボーイ・プロモーションのCEOであるリチャード・シェーファーはマリナッジの試合後のコメントをそれほど気にしてはいない。
「彼はフラストレーションからそう言ったんだと思う。」とシェーファー。
フロイド・メイウェザー・ジュニアがリングサイドにいたことを受け、ブローナーは世界タイトルマッチで目もくらむようなボクシングパフォーマンスを披露することで、メイウェザーに続く選手として評価されるためにベストを尽くした。彼はフライパンに火をつけはした。しかし、ステーキ、つまりノックアウトを提供することはできなかった。
「これは自分にとってはすばらしい勝利だ。誰が自分のように戦える?」とブローナー。「マリナッジのパンチはすべて腕に当たった。自分には当たらなかったんだ。奴はすぐさま生き残りモードに入った。相手は逃げ回り続けたが、俺は奴を切り裂いたんだ。」
ブローナー(27勝0敗、22KO)は3階級制覇のために、2つ階級を飛び越えた。それは大きな挑戦だったが、ブローナー自身が思ったように彼は成し遂げるには十分な選手だった。
試合に向けてはあまりに多くの暴言が行ったりきたりしたため、しゃべるのを止められるからただこの2選手にリングに上がってほしいと思うほどだった。
それは希望的観測だった。なぜならブローナーは試合を通じて絶え間なく言葉を発していたからだ。「俺にパンチは当てられないぜ」と12ラウンド叫び続けたのだ。
マリナッジはブルックリンにおいてホームタウンの観衆の前で戦い、確かにチャンピオンだったが、ずっとかませ犬として扱われてきていた。ブローナーは明らかにファンの好みではなく、試合前の紹介でブーイングを浴びせられた。ブローナーはそういった悪意のある雰囲気の中に招かれ、それを味わわなくてはいけなかったのだろう。
ブローナーと彼のトレーナーであるマイク・スタフォードは、マリナッジは6ラウンド以上もたないだろうと宣言した。彼らはマリナッジのタフさと耐久力をあなどっていたのだ。
ブローナーは1ラウンド目をボディを狙いにきたマリナッジに与えたことに満足しているようにみえた。ブローナーはうまく防御し、自分から攻撃に出ようと決めたことを象徴するような素早いジャブを炸裂させた。ラウンドの中盤、ブローナーはブレークがかかった時に打ったとして、レフェリーのべンジー・エステベスから注意を受けた。
マリナッジのパワーに対し明らかな軽蔑と無礼な態度をあらわにしたブローナーは、彼の正面に立ちマリナッジがボディを打ってくるときですら前に進んだ。マリナッジがパンチをヒットさせたと思われるたびに、ブローナーは頭を振り、パンチが効いていないことを表現した。2ラウンド目の終盤、マリナッジがクリンチのために前のめりになったところに、ブローナーはマリナッジのあごに向かってひざを突き上げた。彼はレフェリーから厳しい注意を受けた。
ブローナーは3ラウンドにはボクシングをこなすようになった。彼は、スピードと素早さを使い多彩なパンチを繰り出すようになった。ジャブ、右ストレート、オーバーハンドの右、左フックと、全てのパンチがマリナッジの顔面にヒットしていた。マリナッジも何発か打ち返したが、効果的なパンチではなかった。特に、彼のパワーを蔑視しているボクサーに対しては。
試合の残り時間は、ブローナーによる閃光のような素早いパンチの連打がマリナッジの頭部と胸にくいこむという展開が続いた。マリナッジがどんなパンチを振ろうと問題ではなく、前へとプレッシャーをかけ続けるブローナーを止められるインパクトはどのパンチにもなかった。
マリナッジがブローナーにとらえられたとはいえ、ミゲール・コット、彼のパンチによってマリナッジは顔面を骨折しているが、や、リッキー・ハットン、アミール・カーンらに打ち負かされたような内容とはならなかった。これは、ブローナーには確かにスピードとパワーがあるが、ウェルター級のパワーはないということを示している。今は、まだ。
この試合はまた、ルーカス・マティセのようなウェルター級の強打者に対しブローナーはどの程度の力量なのかに興味を抱かせる。このことが、試合において<重要なのは何か?>という領域に迷い込んだ時に思いがおよぶところなのである。
(注:一方的な内容ながらもノックアウトしきれなかったブローナーの試合内容に対し、パンチを多く当てることと強いパンチを一発でも当てることではどちらが重要か?を暗に問うている一文と思われる)
もちろん、マリナッジは自分が勝ったと思っている。
マリナッジは、もし再戦が実現しなければボクシングを辞め、ショウタイムの解説者としてのキャリアに専念すると言っている。
6月23日、Tim Smith筆
- コメント
- こんにちは。
結果はちょっと意外と言う感じでした。
ブローナーの一方通行っていう感じでしたので。
ただ関係ないいんですが、マリナッジの入場曲が気になるので、もしお分かりでしたら、教えていただきたいんですが。 -
- ヒルベルト傲慢
- 2013.06.26 Wednesday 17:18
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