井上尚弥vsノニト・ドネア第2戦
第1戦の激闘を経て実現した、井上尚弥vsノニト・ドネア第2戦!以下に海外記事を翻訳しました。
【井上尚弥はノニト・ドネアに2度ダウンを与え、圧倒的な2ラウンドTKO勝利をおさめた】
(6月7日、web上のアメリカ、リングマガジンの記事より)
「丘を越えてやって来るのは何だ?」そう、それは「モンスター」だ。
井上尚弥は、ノニト・ドネア相手に破壊的で決定的な2ラウンドストップ勝ちをおさめた。試合は6月7日、埼玉スーパーアリーナで行われ、この勝利で井上はすでに保持していたWBA、IBF、リング誌のバンタム級タイトルに加えWBCのタイトルも手に入れた。試合終了のオフィシャルタイムは2ラウンド1分24秒だった。
リング誌のパウンド・フォー・パウンドランキングで3位にランクされる井上は、1ラウンド目にドネアにダウンを与え、相手を粉砕するような何発かの左フック、そのうちの最後の一発は相手に大きなダメージを与えたが、で試合を終わらせた。レフェリーのマイケル・グリフィンはもう充分とみてほぼ即座に試合をストップした。
「みなさんありがとうございます。やりました。」と井上(23勝0敗、20KO)は試合後のインタビューで語った。「一番最初のノニトの左フックで目が覚めた。自分の価値を上げるためには、勝たないといけない。この試合はKOすると決めた。」
ラウンドの序盤は、両者から警告のようなパンチのやり取りがあった。しかしラウンド終盤には爆弾が飛び始めるようになった。このやり取りでは井上が優勢であり、いくつか素晴らしいカウンターを放ち、鋭い右でドネアを痛めつけた。これは、井上との試合では序盤に与えられたくない種類の危険なサインだった。
ドネアにとってはずっと坂道を上り続けるような展開で、2ラウンド目は見ているのも苦しくなるほどだった。井上は左フックをあて続け、偉大なるベテランのドネアは平静を失っていくようだった。ドネアは自分の防御から出ていく決断をし、安全に戦うことを拒否したことでそれが破滅のもとだったと証明された。
29歳の井上は、これからはバンタム級統一王者としての最後のピースを狙うことになる。WBOタイトルホルダーのイングランド出身のポール・バトラーは、ずいぶん実力差のあるアンダードッグと言わざるを得ないが、それでも両者の対戦は日本あるいは英国にとっての大きなビジネスとなるだろう。
39歳のドネア(42勝7敗、28KO)は、間違いなくボクシング殿堂入りを果たす存在だ。元4階級制覇王者であり、約20年間にわたってトップレベルで戦い続けたドネアにとっては、これ以上ボクシングで証明するべきことはない。<フィリピンの閃光>はずいぶんと失われてしまったが、このたぐいまれなるチャンピオンには労働の果実を楽しむべき時が来たのではないか。
Tom Gray筆
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マニー・パッキャオ引退へ
先日のヨルデニス・ウガス戦のあと、大統領選への立候補を表明したマニー・パッキャオ。自身のソーシャル・メディア上で引退の意向を発表したということです。以下の記事はキャリアをさらったぐらいの内容なのですが、その功績をたたえてweb上のリングマガジンではがっつりとした記事が次々と配信されていました。
【マニー・パッキャオがボクシング界からの引退を発表:「ちょうど最終ゴングを聞いた」】
(9月29日、web上のアメリカ、リングマガジンの記事より)
マニー・パッキャオが今週水曜日、正式に引退を発表した。彼のソーシャルメディアのアカウント上に投稿した動画で意向を固めたことについて語った。
「さようなら、ボクシング。私の人生を変えてくれてありがとう。貧困から抜け出す道をボクシングが教えてくれた。ボクシングのおかげで、私は世界中の人々を鼓舞することができた。ボクシングのおかげで、人生をさらに帰る勇気を得ることができた。」ボクシング界における最も偉大なボクサーの一人であるパッキャオ(62勝8敗2分、39KO)は「さようなら、ボクシング」とタイトルのついた14分の動画の中でこのように語った。
「私が人生でしたこと、達成したことを決して忘れないだろう。今ちょうど最終ゴングを聞いたというのが信じられない。」
ボクシング史上唯一の8階級制覇チャンピオンであり、12月に43歳を迎えるパッキャオは、急きょの代役となったヨルデニス・ウガスに先月の試合で3−0の判定負けを喫した。パッキャオにとっては、それまで無敗だったキース・サーマンに僅差の判定勝利をおさめて以来2年ぶりの試合だった。
故国フィリピンの上院議員であり以前は自由党に所属していたパッキャオは今月初め、現在所属するPDPラバン党から大統領選への立候補を表明した。小さな漁村のジェネラル・サントス・シティをボクシングファンにとっては耳慣れた地へと押し上げたパッキャオ。彼は1995年にプロデビューし、1998年にはタイでチャチャイ・ダッチボーイジムを8ラウンドノックアウトで下してWBCのフライ級タイトルを手に入れ、初めて世界チャンピオンになった。
のちにパッキャオは、マルコ・アントニオ・バレラ、ファン・マヌエル・マルケス、エリック・モラレス、ミゲール・コット、オスカー・デラホーヤといった選手や数多くの相手に勝利し、122ポンド(スーパーバンタム級)から154ポンド(スーパーウェルター級)に渡って世界タイトルを手に入れた。将来ボクシング殿堂入りを果たすであろうというのはすでに過去の結論だ。彼は130ポンド(スーパーライト級)より下、130ポンドより上のキャリアを分けて殿堂入りを果たしてもいいのではないか。
パッキャオのキャリア上、2015年のフロイド・メイウェザー戦はひとつの到達点だ。数年間、開催可否の交渉が続いたこの試合は、ペイ・パー・ビューが460万を記録した。パッキャオは3−0の判定負けを喫したが、右肩の負傷もあったようだ。
「自分のしてきたことに自分でも驚いている。」とパッキャオ。「4つの異なる年代において世界タイトルを保持した唯一のボクサーで、ウェルター級タイトル最高齢獲得記録をつくった。素晴らしいことを達成した。」
アジアではよく知られた存在であった一方、2001年のオスカー・デラホーヤvsハビエル・カスティリヤホ戦のアンダーカードで、負傷したエンリケ・サンチェスの代役としてIBFスーパーバンタム級チャンピオンのリーロ・レジャバとの対戦に臨んだ際、彼は全くの無名だった。
コーナーにフレディ・ローチという駆け出しのトレーナーを引き連れ、パッキャオは名の知られたレジャバに対し猛攻を仕掛けて6ラウンドにキャンバスに沈めた。ローチは2012年にボクシングの殿堂入りを果たしたが、パッキャオと共に成し遂げた功績は大きい。
パッキャオが引退を宣言したのはこれが初めてではない。2016年の上院議員への立候補により、ティモシー・ブラッドリーとの第3戦が最後の試合になるだろうとパッキャオは述べていた。彼は上院議員に当選し、その年の後半にも試合を戦いジェシー・バルガスに判定勝利をおさめた。
「自分のボクサーとしての時間が終わったと認めるのは難しい。」とパッキャオ。「今日、私は引退を宣言する。この日が来ると思ったことはなかった。ボクシンググローブを吊るすにあたり、世界中に感謝したい。特にフィリピンの人々に。マニー・パッキャオをサポートしてくれてありがとう。」
Ryan Songalia筆
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井上尚弥vsマイケル・ダスマリナス
井上尚弥選手、素晴らしい勝利を飾りました!以下の記事ではカシメロvsドネアが決定したとなっていますが、その後カシメロvsリゴンドーで今のところは話が進んでいるようです。
【モンスター再び火を吹く:井上尚弥がマイケル・ダスマリナスを3ラウンドで粉砕】
(6月19日、web上のアメリカ、リングマガジンの記事より)
The Monster slays again: Naoya Inoue takes out Michael Dasmarinas in round 3 - The Ring (ringtv.com)
彼のニックネームは<ザ・モンスター>。そのため、バンタム級の井上尚弥が注目に値する試合のためリングに上がることへの期待は確かにあった。彼の最近のパフォーマンスからすると、KOは必然と思われた。なぜなら彼の相手となったマイケル・ダスマリナスは、技術の伴ったKOのスペシャリストと対戦したことはなかったからだ。
日本人ファイター、井上はダスマリナスを3ラウンド2分45秒でフィニッシュし、人々に熱狂を与えた。試合はラスベガス、ヴァージン・ホテルにてESPNによる中継で行われた。ボディへの連打は、敗者にとって耐えきれるものではなかった。ダスマリナスは2ラウンドにダウンを喫し、そしてつづく3ラウンドにはさらに2度ダウンした。3ラウンドの1度目のダウン後、彼は時計を見上げあとどれくらいフィニッシュされずに時間を使わなくてはいけないかを計算した。モンスターはおかまいなしだった。
28歳の井上は、20勝0敗(17KO)の戦績で試合に臨み、一方でこちらも28歳のフィリピン人のダスマリナスは30勝2敗1分け(20KO)の戦績だった。
1ラウンド目、3階級制覇王者でありリング誌、WBA、IBFバンタム級のタイトル保持者である井上は、サウスポーのハンドスピードと動きの傾向を見極め、仕事にかかった。井上の左フックはまるで音を大きくたてるかのように繰り出された。アンダードッグとされていたダスマリナスの動きはよかった。距離をとりながら井上のパワーへの敬意を見せていた。攻撃への計画よりは防御への意識がより彼の頭にはあったのだろう。
2ラウンド目、ダスマリナスは前進して井上をとらえ始めたかに見えた。彼は近づきすぎず動きながら距離をとった。しかしながら、IBFの指名挑戦者であるダスマリナスはもう一度力を込めた左ストレートをあてようとした。彼はその代償を支払うことになる。のちに、右パンチに合わせた左でダスマリナスはダウンを喫する。彼は立ち上がったが井上はボディへの攻撃を続けた。再び左のレバーブローがヒットし、ダスマリナスはひるみながらもそれを顔に出さないようにし、弱さを見せないようにしているのが見えた。彼はラウンドを脱出することに成功した。
3ラウンド目、周囲の雰囲気に影響されないボクシングを続ける井上は、大股で洗練された動作でさらに距離を縮めた。ボディへの左で、再び、ダスマリナスはそのズシンとした痛みに防御を間に合わせることができなかった。そして、ボディのダメージで再びダウン。ダスマリナスは頑丈な心臓に感謝しながら「辛くも」立ち上がった。そして再び、左フックがダスマリナスを倒した…そして今回は、ダスマリナスが立ち上がれるかどうか待つことなくレフェリーは試合をストップした。レフェリーは手を振り、「期待通り!」という熱狂の声があがった。
勝者となった井上は、全部で17発のボディブローをヒットさせそのほぼ全てがクリーンヒットであり有効打だった。この日本人ボクサーの仕事ぶりへの評価が誇張だったとボブ・アラムが非難されることは、おそらくないだろう。「井上尚弥はリングで唯一無二の強さを発揮した。」とアラムは試合後語った。「<ザ・モンスター>による再びの素晴らしいパフォーマンスだった。我々はここで偉大なファイターが戦うのを見た。そして彼は進化し続けている。」
ファンは時間を持て余したろう。なぜなら、あまりにもはやく試合が終わったからだ。そのため、多くのファンは井上とドネアの再戦を期待しただろう。ドネアは年齢を感じさせず、38歳としては信じられないほどの次元で試合を戦っている。リング誌のランキングでバンタム級のチャンピオンである井上に次いで1位にランクされるドネアは、リング誌ランキングで2位でありWBOタイトル保持者のジョンリエル・カシメロと試合が決定したと本日アナウンスされた。
試合後、井上はいくつか思いを吐露した。
「ダスマリナスという1位の選手相手に、いい勝ち方ができたと思う。」と井上。「顔へのパンチでもボディでのパンチでも、ノックアウトできる準備はしてきた。いい準備ができて、ノックアウトできたのはよかった。」
「1ラウンド目は、どんな相手か見極めたかった。相手の出方次第だったが、すぐに見極められたと思った。」と井上。「勝つことができて笑顔になれた。ただ、カシメロ対ドネアの勝者に勝てれば、もっと笑顔になれると思う。」
Michael Woods筆
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ノニト・ドネアvsノルディーヌ・ウバーリ
ノニト・ドネアが強さを見せました!タイトル統一戦、実現するでしょうか?!
【ノニト・ドネアはノルディーヌ・ウバーリを4ラウンドKOでボクシング界に再び衝撃を与えた】
(5月29日、web上のアメリカ、リングマガジンの記事より)
ノニト・ドネアはリングで観衆に向かいながら両腕を上げ「王者が戻った、王者が戻った」と繰り返した。そして確かにその通りだった。<フィリピンの閃光>は年齢とともにここ最近はやや鋭さが弱まっていたが、彼の心の強さと確固たる望みに誰も疑問をはさむことはできなかった。
ドネアはボクシング界に再び衝撃を与え、年齢に打ち勝った。4ラウンド1分52秒でノルディーヌ・ウバーリにKO勝利を飾り、WBCバンタム級タイトルを手に入れることで自身の持つバンタム級の世界タイトル獲得最年長記録を更新した。興行は、プレミア・ボクシング・チャンピオンによるショウタイム・チャンピオンシップ・ボクシング主催でカリフォルニア州、カーソンのディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークで行われた。
ドネア(41勝6敗、27KO)は、井上尚弥戦以来18ヶ月戦っていなかった。しかし、ドネアはさびつきの兆しは一切見せなかった。彼はウバーリ(17勝1敗、12KO)に3ラウンドに2度ダウンを与え、破壊的なアッパーカットで3度目のダウンを奪って試合を終わらせた。この勝利で、将来ボクシング界殿堂入りを果たすであろうドネアは、自身の持つ世界バンタム級チャンピオン最年長獲得記録を更新した。記録は、38歳と204日である。
「王者が戻った」とドネア。「年齢は問題じゃない。問題はパフォーマンスだ。私の成長力だ。問題は年齢ではなく精神力だと信じている。どれだけ精神的に強くいられるかだ。井上との試合で、自分は戻ってきていると感じた。自分はまだこのレベルで戦える。戦っていない間ずっと、私は学んでいた。次への準備はできている。」
「これが、私がこの試合に勝ちたかった理由だ。タイトル統一が次の私の目標だ。私がボクシングで成し遂げていない唯一のことは、絶対王者になることだ。それが私のゴールだ。次は(井上との)再戦を目指す。」
「何年も世界チャンピオンをやってきた。9度世界タイトルを獲得した。それは素晴らしいことだ。とてもいい状態で試合に臨めた。今日何が起こるかは自分ではっきりと分かっていた。自分が何をするべきかはっきりと分かっていた。ジムではとても集中してトレーニングをしてきていたと思う。とても、とても集中していた。とてもいい状態で臨めたし、この機会を得られてうれしく思っていた。」
「今夜は、自分が戻ってきたこととこれまでの中で最強だということを証明しなければいけなかった。ウバーリはとてもタフな相手だ。もっと様子を見るべきか?倒しに行くべきか?の迷いが究極的にはあったと思う。井上戦で学んだのは、倒しに行くことだった。自分がやったのはまさにそれだった。自分には忍耐もあったが、倒せるだけのダメージを相手が受けたことが分かっていた。」
ウバーリはキャリア史上初めてダウンした。3ラウンド目があと44秒残すところでのショートの左フックだった。3ラウンド目終了を告げるゴングが鳴ったと思われた時、ドネアはウバーリにさらなる左フックをヒットさせた。
レフェリーのジャック・リースはラウンド終了後ウバーリに行く先を指示しようとしていたが、どこに行けばよいのか分からないように見えた。仕事を終えるのに、ドネアに時間はそれほど必要なかった。ウバーリに3度目のダウンを与える左のアッパーカットで試合を終わらせた。
Joseph Santoliquito筆
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井上尚弥vsジェイソン・マロニー
井上尚弥選手が、ラスベガスデビュー戦を見事なKO勝利で飾りました!すごい!
【井上はハロウィーンの興業を達成。<ザ・モンスター>はマロニーを粉砕】
(10月31日、web上のアメリカ、リングマガジンの記事より)
https://www.ringtv.com/612755-inoue-offers-halloween-treat-the-monster-slices-up-moloney-on-espn/
<ザ・モンスター>がハロウィーンの夜にアメリカで戦うことに、世の中は大きな関心を寄せた。賭け率では言うまでもなく井上が優勢、そしていざラスベガスの夜に試合が行われるとやはりその選択は正しかった。
日本のプロボクシング界のエース、27歳の井上はオーストラリア出身のジェイソン・マロニーを7ラウンド2分59秒にダウンを与えKOで勝利した。興行はMGMバブルで行われた。それは素晴らしい右パンチだった。どのようなモンスターでさえ成し得ないようなタイミングでヒットし、マロニーをダウンさせた。マロニーは立ち上がろうとしたが、レフェリーのケニー・ベイレスのカウントは10に達した。
88歳になったボブ・アラム率いるトップランク社が興行をプロモートし、ESPN+で全世界に中継された。
<ザ・モンスター>による興行は非常に魅力的なビジネスだ。しかしこれは、井上の凶暴なまでの力強さと非情なまでの試合内容だけで語られるべきではない。彼は技術的に非常に優れており、彼のリング上での目の良さは大きな強みとなっている。どこに動かなければいけないか、いつどのように足を動かさなくてはいけないか、を彼は分かっており、より良い角度から強打を打ち込むことができるのだ。
勝利後のインタビューで、年齢と共に確実に強くなっていると思うと井上は語った。マロニーをアスリートとして讃えもした。そして、彼が次にやりたいことは何だろう?井上は、118ポンド(バンタム級)でさらなるベルトをとりたいと語った。ジョンリエル・カシメロはWBOの118ポンドタイトルを持っており、もし井上vsカシメロが実現すれば面白いだろう。また、WBCタイトル保持者のノルディーヌ・ウバーリやドネアもまた名前が挙がった。
井上はWBA、IBF、リング誌バンタム級タイトルチャンピオンとしてリングに上がった。この試合で戦績を20勝0敗、17KOとした。マロニーは、自分が優勢ではない予想の中試合をすることは分かっていると語っていたが、試合の結果を受けて戦績は21勝2敗となった。マロニーはまた、井上は序盤は相手を見ながら入ってくると思っていたと語り、そしてお世辞ぬきに井上はリング上で<モンスター>だったと言う。
「<ザ・モンスター>は特別な選手だ。」と試合後ボブ・アラムは語った。「このような若い選手は長いこと見たことがなかった。そしてジェイソン・マロニーも戦士のように戦った。彼はベストを尽くしただろう。」
1ラウンド目、井上は積極的に出てきたようにはみえなかった。前回の試合で彼はノニト・ドネアの強打により目に傷を負い鼻血も出した。2019年11月7日に行われたその試合から、井上には次なる試合に向けて回復し、治癒し、身体の状態を確実にするために時間が必要だった。井上の体の動きにはキレがあるようにみえ、1分40秒には右の強打をヒットさせた。マロニーのゴング間際の左カウンターは、おそらく自身を勇気づけただろう。マロニーのパンチもまたスピードがあると示したからだ。双子の兄のアンドリュー・マロニーも試合を観戦し、弟の勝利のために尽くした。
2ラウンド目、マロニーはより足を使いこれはうまくいった。彼は井上のこれまでの相手と同じように餌食にはならなかった。3ラウンド目、井上の右アッパーがマロニーに炸裂したがうまくころした。マロニーのボディーワーク、そこからの左フック、全てが相手対して効果的に使われていた。4ラウンド目、井上はさらに<モンスター>度合いを強め、手数を増やした。マロニーは応戦したが、自分から出ていく戦い方に慣れていたためこの局面ではディフェンシブになりすぎだった。しかし、ジャッジのうち2人はマロニーに4ラウンド目を与えた。
鋭い右リードがマロニーにヒットしたが、これ以降5ラウンド目はマロニーにはやや戦いやすくなったようにみえた。6ラウンド目、カウンター一発でマロニーはマットに沈んだ。マロニーは相手を抱え込んで逃れようとしたが、井上は決めにかかった。ガードを突き破って打ち込まれたのは、左フックだった。井上は少し左に動き、少し後ろに下がり、正しい角度をつくった。ラウンド終了後、レフェリーのケニー・ベイレスはマロニーに戦う意思をみせないと試合を止めると告げた。
終わりが訪れたのは、次のラウンドだった。マロニーのジャブに対する右パンチがマロニーをダウンさせた。そして彼は、立ち上がるために実に大変に努力をした。しかし彼は心底、そうするべきではないと分かっていた。彼は非常に、痛めつけられたのだ。
Michael Woods筆
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